トヨタ・アルファードの中古車価格はなぜ暴落したのか？残クレが引き起こした市場の変化を考察

最近、トヨタの高級ミニバン「アルファード」の中古車価格が大幅に下落しているという話題を耳にすることが増えました。一体何が起きているのか、データを調べながら考察してみたいと思います。

現行型（40系）アルファードの中古車価格は、驚くべき下落を見せています。

2024年夏に900万円程度で取引されていた「アルファードハイブリッドエグゼクティブラウンジS」が、2025年6月には700万円程度まで下落。わずか数ヶ月で約200万円（約22%）もの価値下落が発生しています¹。

2025年5月時点でアルファードの平均価格は775.7万円まで落ち着いてきました²。発売当初は新車価格を大幅に超える「プレミアム価格」で取引されていましたが、その後順調に下落しています。

さらに深刻なケースもあります。一部グレードでは、2024年4月には450万円だった平均市場価格が、2025年7月には200万円以下になっているという報告もあり³、グレードによって下落幅に大きな差が生じています。

2025年2月以降、40系アルファードの相場は大きく下落（暴落）しました⁴。一時は新車価格を大幅に超える"プレミア価格"で取引されていたものの、現在は本来の価格帯に戻りつつある状況です。

この価格下落には「残価設定クレジット（残クレ）」の影響が大きく関わっていると指摘されています。

30系アルファード（前世代）では、購入方法の内訳は以下の通りでした⁵： - 現金一括：約45% - 残クレ：25% - 銀行ローン：30%

ところが40系では現金一括の割合がかなり少なくなっており[^5]、トヨタファイナンスによると、20～40代では75％以上の方が残価設定型クレジットを選択して契約しているとのことです⁶。

トヨタの残価設定型プランは、3年間で車両本体価格の一部を残価として据置き、残りの金額を分割払いするプランです⁷。一般的な残クレは3～5年のリース契約が主流となっています。

40系アルファードは2023年6月から2025年6月の2年間で累計153,461台を販売し、月平均は6,394台となっています⁸。

2024年通年でのアルファードの販売台数は7万9,374台（前年比149.5％）を記録しており⁹、非常に高い人気を誇っていることがわかります。

多くの人が残クレ期間の終了に伴ってアルファードを返却することで、中古市場への過剰な供給が起こり、買取価格が下がっています¹⁰。

具体的には以下の要因が複合的に作用していると考えられます：

2023年6月の40系発売時に残クレで購入した層が、3年後の2026年6月頃から大量に返却することが予想されそうです。

中古車市場への供給圧力は当面継続すると考えられます。前世代の30系の返却も続いているため、市場の供給過多状態はしばらく続く可能性が高いと見ています。

ということは、26年6月頃〜8月頃に、中古車のアルファードを購入を狙っていくこともよいかもしれませんね。

アルファードの中古車価格暴落は、残価設定クレジットという金融商品の普及と、それに伴う返却車両の市場流入という構造的な問題が引き起こした現象と言えます。

高級車を手軽に乗れるという残クレのメリットは大きいですが、一方で大量の返却が集中すると中古車市場に大きな影響を与えることが、今回のケースで明らかになりました。

今後も同様の現象が他の人気車種でも起こる可能性があり、自動車市場のトレンドとして注視していく必要がありそうです。

※本記事の情報は2025年10月時点のものです。中古車価格は市場状況により変動しますので、最新の情報は各種中古車情報サイトでご確認ください。

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